肺高血圧症はかつて難病と言われた病でした。しかし現在は肺高血圧症の治療法が確立されつつあり、治る例も多数報告されています。肺高血圧症の治療を積極的に行っている病院には、岡山医療センター、杏林大学医学部付属病院、国立循環器病センターなどがあります。

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肺高血圧症は年々増加傾向にあり女性の発症率が高く、全体の70%は女性患者となっております。ただし肺高血圧症になぜ女性が多いのかは分っておりません。2,010年の調査では肺高血圧症の治療を受ける患者数は、6,000人程度と言われております。

肺高血圧症の症状の特徴は、動悸、息切れ、せき、疲労感、呼吸困難などです。ちょっとした坂道(階段)を上っただけで、息が切れる(咳が出る)などの症状が出た時は、肺高血圧症を疑う必要があります。通常の高血圧症ではこの息切れや咳といった肺の症状はあまり見られないです。

肺高血圧症と診断されると、薬物治療に入ります。近年この薬物の開発が急速に進み難病ではなくなってきているのです。

薬物治療には血管拡張療法として①経口血管拡張剤の治療②プロスタサイクリン持続静注療法③一酸化窒素ガス吸入療法の3つの治療が行われます。それぞれの肺高血圧症の治療を見てみましょう。

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①経口血管拡張剤の治療

肺の細小動脈の血管を広げ、血流をよくする治療薬です。プロスタサイクリン誘導体製剤、カルシウム拮抗剤、エンドセリン受容体拮抗薬などの薬が肺高血圧症の治療に使われます。

②プロスタサイクリン持続静注療法

 先ほど挙げた経口剤をポンプ機器を使用して血管内に継続的に送り込みます。

③一酸化窒素ガス吸入療法

一酸化窒素は肺血管の拡張にだけ作用するという特性があり、全身の血圧降下には作用しない。つまり肺の血圧だけ下げる事が出来るため肺高血圧症治療への有効性が認められています。


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